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rain* ~BL only~

BLオリジナル小説オンリーブログ。 やおいが生き甲斐。BLは浪漫です!!

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06 あなただから、意味がある

たとえるならそれは、立っている地面を、ぐるりとひっくり返されたような感覚だった。

何が起きたのか、分からない。

ひたすら混乱していた。

唇の感触は嘘ではなく、北島が去った後、うわっとセミの声が戻ってきたことで、自分が正気に返ったことを知る。



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05 あなたとならすべてに意味がある

その後、触れあった唇が言葉を紡ぐこともなく、沈黙のあいだ伏せられていた目と、最後に一度だけ目線があった。
なぜか泣きそうな目だった。

ぺこりと頭を下げられる。
そのまま背を向けて駆け出していく背中。
それを見送ることしか、できなかった。





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04 たとえば、他愛ない話も

「帰るか」
ひとしきり笑った後で、目じりの涙の粒を指で払いながら、木戸は提案した。
「え」
そんな・・・と顔に書いてある。
せっかく親密に話せるチャンスだったのに、それをまさか自分が寝入ってしまってダメにしてしまうとは、光輝にとって痛恨の極みであった。
けれど、次の言葉に、一発逆転。
心臓がきゅっと音を立てて跳ねた。
「一緒に」



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13 ジンクスその3「パラソルツリー」-3-

「いつまで二人で馬鹿笑い?」
そんな不機嫌な声にひるまず、二人はまだ笑っている。
「吉良くん、コレ、ひきとるけど?」
ルームメイトを指すみなとに、目じりにわいた涙の粒を指でぬぐいながら、吉良は首をふった。
「いえ、僕も図書室に用事があるので」
ご一緒します、という意思表示だろう、持っていたビニール傘を少し上に持ち上げるしぐさをする。それはいいとして、では。
「戻るときも、吉良君に頼む気?」
行きはよいよい、帰りは・・・と古いわらべ歌を思い出した。



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03 何から、話しましょうか

「きどたからさん、あの」

「福原」

相手の先手を打ち、いつもの告白にながれそうな気配をぶった切って、提案した。
それは6月の真ん中、水曜日の朝。

名前を呼ばれた茶色い塊は、大きく4回瞬きをした。
瞬きの回数が増すたび、ほほに朱がのぼる。


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