なんでも話しあえた。
幼なじみとしていつも身近にいた秀也の存在は、心の支えでもあると同時に、意識しなくてもそこにある空気のようだった、と、今なら分かる。
「あきら」
かけられた声に振り向くと、あいかわらず愛想のない顔があった。
今まさにその相手のことを考えていたこともあり、なんだか可笑しさがこみ上げた。
「?なんだ」
自分の微妙な表情を察してか、秀也がかすかに表情をゆがめる。
何も知らない他人が見たら、また怖いとか言い出すんだろうな。
目つきがもともと鋭いこともあり、秀也は時折、まわりから一歩引いて接せられることがあった。
こんなに分かりやすくて、優しくて、不器用で、ほほえましいのに。
でもそれは幼なじみの自分だからこそ知る一面なのだろう。
現に、あきら自身も周囲からはいろいろと誤解を受けている部分があった。
たとえば。
[13回]
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